現在、私『chibiharu』は、当ブログも含め、Webサイトを2サイト運営しています。
たった2サイトですが、1人で運用するとなると中々労力がかかります。
保守作業で精一杯で、サーバのパフォーマンスやジョブの実行状況等を監視する余裕は全く無いのです。。
ある日たまたまサイトを開いたら、サーバ障害でページが開けなくなっていた。。なんてこともあり、何か外形監視を導入しなきゃななんて考えていたところ、自社でNew Relicのセミナーを受けました。
最初は階層も深く使いづらいそう。。なんて感じたのですが、話を聞いてる内に段々と慣れたら便利なんじゃないかと思い始めてきました。
もしかしたら自社でもNew Relicを導入するかもしれないという点、運用しているWebサイトに外形監視を導入したかった点から本サイト含め、現在『chibiharu』が運営しているWebサービスの外形監視にNew Relicを採用することを決めました。
本記事では、New Relic導入にあたり、個人的に調査を行いましたので、その概要を公開致します。
※導入手順については、以下の記事をご参照下さい。
- New Relicで実装するWordPress(AWS Lightsail)の監視導入手順 – サーバ監視編
- New Relicで実装するWordPress(AWS Lightsail)の監視導入手順 – AWS統合編
New Relicとは
『New Relic』とは、簡単に言うと企業名です。そして同社の提供する監視SaaSの名称でもあります。
フロントエンドからインフラ監視まで、アプリケーションに関する全レイヤーをカバーする監視製品を提供しています。
また、SaaS型である為、自前でサーバを構築する必要が無いのが大きなメリットです。
類似製品に『Mackerel』があります。
『Mackerel』は外形監視を導入する場合のもっともポピュラーな監視製品かと思いますが、『New Relic』は監視製品の中でも最も多機能な監視製品です。
多機能であるが故に、UI/UXに慣れるのに時間がかかるのがデメリットです。
しかし、『New Relic』はUIが良くできていて、直感的な操作が可能です。なので、トレーニングにそこまで時間がかかることはないでしょう。
New Relicのメリット
外形監視SaaSの中からわざわざ『New Relic』を採用するメリットを紹介致します。
監視サーバを立てる必要が無い
従来の監視手法では、環境内に監視サーバを立てる必要がありましたが、『New Relic』ではその必要がありません。
『New Relic』がエージェントを一元管理してくれる為、監視サーバという概念が必要無いのです。
また、インターネットから監視をする為、ユーザ目線でのリアルタイムな監視が可能です。(外形監視)
フロントからインフラまで幅広い監視設定が可能
『Zabbix』や『CloudWatch』,『Cacti』等の監視サーバではインフラ面での監視はできますが、『Google Analytics』でできるようなフロント側のアクセス解析やページビュー観点での監視はできませんでした。
しかし、『New Relic』であれば、『Zabbix』等で行っていたサーバ監視から、『Google Analytics』で行っていたようなフロント監視まで幅広く対応することが可能です。
AWSとの関係
『New Relic』は監視製品として非常に優れていますが、『New Relic』としてのブランドとしても非常に魅力的なのです。
どういうことかと言うと、『New Relic』はAWSとパートナー契約を結んでおり、AWSとの連携が非常にしやすいのです。
『New Relic』ではAWSの様々なサービスのAPIが叩けます。また、パートナー契約を結んでいるだけあり、サポートが非常に充実しています。
自社の監視製品に関することだけではなく、AWSを絡めたサポートにも対応しています。
AWSでサービスを提供しており、外形監視を導入したい場合、是非『New Relic』の検討をオススメします。
New Relicの機能
New Relicでは様々な製品が用意されていて、使用できる機能が多くあります。
各製品の持つ機能は以下の通りとなります。
No. | 製品名 | 機能 |
1 | New Relic APM (エーピーエム) | アプリケーションのパフォーマンス監視サービス |
2 | New Relic Browser | ブラウザのパフォーマンス監視サービス |
3 | New Relic Servers | サーバーのパフォーマンス監視サービス |
4 | New Relic Mobile | モバイルアプリ(iOS, Android)のパフォーマンス監視サービス |
5 | New Relic Synthetics | Webアプリ、サイトの疎通、障害監視サービス |
6 | New Relic Insights (インサイト) | リアルタイム分析ツール(ダッシュボード) |
7 | New Relic Plugins | サードパーティによる各種プラグイン |
参考
New Relic の各製品紹介: New Relic ってアプリケーションパフォーマンス監視ツールじゃないの?
New Relic Oneとは
さて、New Relicの各製品について理解できたかと思いますが、「じゃあどうすればNew Relicの製品を使用できるようになるの?」と思った方も多いかと思います。
実は『New Relic』という監視製品の実態は、『New Relic One』という統合プラットフォームのことなのです。
『New Relic One』とは、ハイブリッド・クラウド環境で、統合的な監視やパフォーマンス管理を実現するSaaS型のオブザーバビリティ・プラットフォームです。
と言っても、「オブザーバビリティ?, プラットフォーム?」となってしまう方が多いかとは思います。
要は「クラウドとオンプレミスで運用しているややこしい環境下でも簡易的に統合的な監視をしてくれる便利なシステム」のことです。
つまり結論としては、『New Relic One』から各製品(APM, Browser…)を利用するといったイメージとなります。
参考
New Relicアカウント作成方法
New Relicのホームページに接続して右上にある『サインアップ』をクリックします。
New RelicのホームページURL:https://newrelic.com/jp
画面遷移後、右側のサインアップ欄に必要次項を記入します。
記入後、サインアップ欄下の『サインアップ』をクリックします。
画面が切り替わるので『本登録はこちら』をクリックします。
New Relicのコンソールにログインする為のユーザ名、メールアドレスを入力し『Start now』をクリックします。
登録したメールアドレス宛にNew Relicからメールが届きますので、『Berify Emailをクリック』または『記載されているURLに接続』します。
以下の『New Relic One』コンソール画面にアクセスできるようになれば、アカウント作成は完了です。
参考
【New Relic One】New Relic始めました。初期アカウントの登録
WordPress監視設計
当Webサービスの監視システムを構成する為の監視設計を行いましたので、以下にて公開します。
監視設計にあたり、クラスメソッドさんの以下の記事を参考にさせて頂きました。
New Relicでの監視設計、及び設定方法について記載されている記事ですが、そもそも監視設計とは?といった観点でのお話もあり、初心者エンジニアにとっては一見の価値があります。
今回の設計についても、上記記事を参考にしました。
監視設計
監視定義
本設計における監視定義を以下の通りとする。
- 狭義の監視: 定期的・継続的に観測し、異常を検知し復旧させること
監視対象
本設計における監視対象を以下の通りとする。
- Webサービス(chibinet / chibiharu’s Lab)
- Webサービスを支えるAWSの全てのネイテイブサービス
監視項目
本設計における監視項目を下表の通りとする。
No. | 監視項目 | 詳細 | アラート有無 |
1 | URL応答監視 | 応答コード、応答文字列、応答時間 | 有 |
2 | ハードウェア監視 | pingによる疎通確認、論理HDD状態確認 | 有 |
3 | リソース監視 | メモリー、ネットワークトラフィック、CPU関連、ディスク | 無 |
監視製品
本設計における監視製品を下表の通りとする。
No. | 監視機能 | 説明 |
1 | New Relic APM | ・アプリケーションのパフォーマンス監視 |
2 | New Relic Synthetics | ・Webアプリ、サイトの疎通、障害監視 |
3 | New Relic Infrastructure | ・インフラストラクチャのパフォーマンス監視 |
まとめ
『New Relic』のような監視SaaSを導入する企業は今後多くなってくると思います。
監視というとインフラエンジニアのイメージがありますが、インフラ側だけではなく、アプリ側の方も監視SaaSについての理解を深めていかなくてはいけない時代だと感じてます。
次回記事では、実際に『New Relic』での導入手順を公開します。
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